【中学受験】全落ち→公立中学はアリか?息子の高校受験をシミュレーションしてみた

不安吐き出しシリーズ、その2。

その1

「男子に安全校なし」というから、全落ちするかもしれない。というのが前回の記事の趣旨でした。

息子は、今後偏差値が上がったとしても、安全校はどう考えても四谷80%偏差値で50台のボリュームゾーンにあるわけです。

安全校として、もう少し下の偏差値の学校も検討しておくべきかどうか (ウチは進学実績けっこう重視派)、全落ちして公立中学に進学するのはどのくらいアリなのか

考えてみました。

公立中学へ進学したらどうなるのか

幸い、私は今住んでいる地域の公立中学出身です。だから、公立中の雰囲気とか、受験の仕組みとかは大体分かります。30年前の情報だけど。

まあ甥姪もこの地域にいて公立中を卒業していて話は聞いているので、多少は情報もアップデートされているでしょう。あんまり変わってないな、と思ってます。

現在、高校募集してる私立男子進学校

開成、巣鴨、城北、桐朋

やっぱり、まず考えるのは、今目指しているのと同じ私立男子進学校です。

開成は5教科だけど、他の3校は3教科で受験できます。

かつては海城武蔵、そして最近では、成城本郷。女子校は豊島岡ですね。今まで、 高校募集を停止するというニュースを見て「いいね~!」と思っていました。中学の定員が増えるだろうから。

今は冒頭に挙げた4校に対して「頼む!高校募集続けてくれ!!」と切に願っています。(あ、開成は別にどっちでもいいか)

それでも、女子の私立高校受験よりはいい。「女子には、高偏差値帯の私立高が全然ない」という話を、娘の入塾前にさんざん聞きました。その頃の娘は、学校の宿題もやらなかったりして内申も心配だったので、それもあって中学受験に踏み切ったわけです。(高学年になって、普通に内申取れる子になった)

入試日程は2/10~12

私立高校の入試日は、2/10に集中していて、11、12にちらほら、という感じです。埼玉県は1月に入試がある、というのも中学受験と同じです。

あと、上記の4校に限っては、推薦入試というのはなさそうです。息子の場合は、あんまり内申みられたくないから、そのほうがいい。

そして、国立が2/13ですね。筑駒、筑附、学芸大附…

都立高校の受験事情

30年前に都立高校を受験した私が、都立高校の受験のシステムをざっくり説明しましょう。

いい都立高校に受かるには、いい内申点が必要

内申点というのは、5段階評価のアレです。5教科は各科目の評点×1美術、音楽、家庭科、体育の4教科は昔は1.4倍位だった気がするけど、今は2倍らしい。つまり各科目の評点×2

あとは部活とか委員会とかの活動で+αがあるんだか、ないんだか。多分ある。

で、この内申点がどのくらいかどうかで、受けられる都立高校が決まります

先生たちは「落ちないことが一番」で内申点だけを基準に無難な受験を勧めてくるから。模試の偏差値がよくても、内申が平凡だと上位の学校を受けることは強く制止されます。

内申点の取り方

内申点は、テストの点だけじゃなくて、結局のところ先生の主観が入って決まります。評価の基準が最近、変わりましたが(小学校も変わった)「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力など」「学びに向かう力、人間性など」の3点で見るとな。ほらもう、ふわっとしてる!

ちなみに私は中学生のとき、内申ほぼ完璧でした。どうすれば内申取れるか、分かってます。

テストでいい点とって、授業をちゃんと聴いて発言もして、提出物完璧に出す。4教科はそれに加えて、絵が上手で、楽器が1つくらいできて、裁縫と料理がこなせて木工やはんだ付けも上手くて、体育が得意なら5がもらえます。実技が苦手でも「学びに向かう力」でカバーすれば、多分4までならもらえる。

何にせよ「この子はできる子」と、先生に印象づけることが大事。

ちなみに最高レベルの内申を取れるタイプって、ひと目で分かる優等生です。そういう子たちが中1の1学期に、最高レベルの椅子に座り、3年2学期までそこに居続けた子が(たいてい余裕でキープする)都立トップ校を受ける層になります。

「男女別定員」は段階的に撤廃される

都立高校は、全国でも珍しく、男女別に定員を設けています。ちょっと前に、女子の合格点を引き上げて、女子を大量に不合格にしていた大学医学部が問題になりましたが、都立高校も結果的に同じことになっています。

都立高校の「男女別定員」撤廃の方針 制度見直しでどう変わる?(NHK首都圏ナビ)

上の記事には、2020年度、男女の合格点の差異がなければ合格していた不合格者は800人近くいて、うち9割が女子だとあります。基本的に内申点もいい女子の合格点が上がって、女子の競争だけが激しくなっているんですね。女性として腹が立ちます。

これは是正すべきでしょう。

男女別定員が撤廃されるとどうなるか。「都立トップ校は男子が多くなるのでは」と言われているみたいです。これもなんか腹が立つけど、事実なら仕方ないとして。「準トップ校の層では女子が多くなる」といわれています。そうなるでしょうね。

息子が高校受験するとしたら

以上のことから、ウチの息子は都立をメインに高校受験するのは厳しい、と思っています。何をどうやっても、最高レベルの内申を取れるタイプじゃないし。精いっぱいにがんばったとしても狙えるのは「女子優勢」とされる準トップ校だと思うから。

そもそも、それもあって今、中学受験に臨んでいるわけですからね。

息子が公立中から高校受験をするとしたら、埼玉校を押さえにして、東京私立男子校に挑戦するかたちになるんじゃないかな。

開成は受けるつもりないから、3科受験になるでしょう。

私立といえど調査書は必要だし、「内申がんばって、都立も受けられるようにしよう」とはいうけど。

公立中学~高校受験のメリット

メリットはけっこうあります。

  • 学費が浮く
  • 家から学校が近い
  • 小学校からの友達がたくさんいる
  • 女子含めいろんな子がいて、多様性がある
  • 部活動がさかん
  • 土日休み
  • 親は弁当作らないですむ

正直、公立中もいいよねと思ってます。

公立中学のここがいまひとつ

でもやっぱり、デメリットというか、足りないところがあるわけで。

内申点の存在

私は最高レベルの内申点ホルダーでしたが、それでも、教師が大事な内申点を握っていて、それに一喜一憂させられる雰囲気は、イヤでした。もっと普通の内申だったらあんまり意識しないですむのか?

意識しないですむようになってほしい。

内申なんて、テストの点で機械的に決まるようにすればいいのに。

マンガ『二月の勝者』の黒木先生は、この点を挙げて「高校受験、大っ嫌いです」って言ってました。私も同じです。

明確な教育理念がなく、目標と行動が結びつかない

私立中にも色々あるとは思うけど、説明会にいくと「こういう人間を育てたいので、こういうことをしています」というアピールが必ずあるはずです。

公立中には、そういうのない。「文科省の方針、自治体の教育委員会に従う」っていうのがあるだけ。あとは伝統という名の惰性があるだけ。

上にも書きましたが、公立中の先生は「生徒を無難に卒業させる」がゴールだと思って仕事しています。高校に落ちると卒業までの手間が増えるから、「落ちないことが一番」。進学実績は、自分の評価にも、学校の評価にもならない。というか、一般人が公立中学校を評価するシステムがない

今や「日本一ブラック」といわれる環境で、教育に奮闘されている先生方には本当に申し訳ないのですが、これが公立中学の現実です。

構造的な問題だけど、組織が大きすぎて簡単に変われないし、変わるモチベーションもない。

さらに、そういう環境がなぜ問題かというと。

変化に対応できない

これ。

この変化の時代に。変われない、変えられない環境で学んでどうする。

こういうと、「教育は簡単に変えてはいけない面がある」って話が出てくるかもしれないけど。それ、みんなそうだから! 変えてはいけないコアを守りつつ、変化に対応しようとがんばってるんですよ、民営企業は。

まあ、変わらない私立学校もあるし、変革に成功した公立学校もあるだろうけれども。

容易に変化できない状態にあるのが公立中学。というのは間違いないと思います。

やっぱり「30年間、変革を続けてきた」という私立男子中学校に行ってもらいたいなと、思いを新たにしました。

でもまあ結局、変わるかどうかは本人次第なので、公立中学もアリだな、が結論… うーん、しかし、本人の達成感的にはナシだよな~。まだ揺れています。

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