この秋はゆっくり、娘の大学受験始動を気にしたり、息子の部活動や中間テストを応援したり、末っ子と散歩して草花を見たりして… 過ごせればよかったのに!
やってしまいました。ピアノのコンクールに出ることにしたおかげで、それどころじゃない。練習、練習の毎日。週末は「今日は予定ないから、5時間は練習しようね」って。
中学受験塾に通うより忙しくなってる。
でも、ピアノをこんなにがんばる意味ってどの辺にあるんだろう? 前々から疑問に思っていた「ピアノを習うこと」について、考えてみました。
ピアノを習うということ
ベネッセの「小学生の習い事ランキング(2024年版)」では、ピアノ・オルガンは3位。1位水泳31%、2位英語21%に次いで、20%で学校の予習・復習と同率3位ということでした。
そんなわけでメジャーな習い事であるピアノ。私も高校生まで習っていたこともあり、なんとなく「ピアノくらいは」という意識で、自分の子供3人に習わせてきました(息子は小学生中学年でやめた)。
でもピアノって、そんなに気軽にできるものじゃなくない? みんなそんなにやらなくてよくない?と、思うわけですよ最近は。
ピアノに必要なもの
これを考えると、全然、気軽な習い事じゃない。
ピアノ
ウチは当初、電子ピアノを購入し、その後に実家から自分も弾いていたアップライトをもらいました。教室は楽器屋系列ではなかったけど、先生には本物のピアノにするように初期から勧められていたので。
しかし。本物のピアノを導入するか。 ここが最大の引き際だと思います。
しかし、本物のピアノを勧められるということは、我が子がけっこう弾けるようになったということでもあるので。このタイミングで見切るのは難しい。
本物のピアノは大きなサンクコストになり、やめられなくなる。ウチなどは、実家からもらって初期投資ゼロだったのに、ピアノが部屋を占有しているので「せっかくなら全員習わせよう」ってなっちゃいました。
毎日の練習
私は中学くらいまで毎日1時間練習をしていたけど、小学校高学年以降は練習が足りないと先生にいつも怒られていました。「上手い子は毎日5時間やるのよ」みたいに。
娘は小学生のときは30分~1時間。中学受験を始めて練習が週に数回になり、中学生以降は週1で1時間程度弾くだけになってしまった。なので、習っているとは言えないくらいに弾けません。
末っ子は、ふだんは30分~1時間で、発表会・コンクール前は平日2~3時間、休日5時間くらいやってるかも。
諸費用
月謝はピンキリだけど1万円から2万円くらいとして。調律が5万円くらい。調律は毎年やるべきなんだろうけど、我が家はお金がないのでサボってます。
発表会は1万円ちょっとで参加できるので、バレエに比べればリーズナブル。運動系のように合宿とかもないし。衣装も今は安くてかわいいのがいっぱいあるしね。
ただし、コンクールとかで全国レベルになって、有名な先生についたりすると跳ね上がっていくんだと思います。
ピアノを習うことで得られるもの
1日1時間の練習で年間365時間。レッスンが週1で40時間。年間約400時間を10年続けたら4000時間。発表会前の上乗せ分が年に100時間あるとしたら、5000時間。
この結果、得られるものって何だろう。
ピアノの技量
人によるけど、「合唱コンクールで伴奏できるレベル」から「趣味の音楽会で独奏できるレベル」くらいにはなるのではないかと思います。
ちなみに、私は合唱コンクール止まりです。
中学以降は、どの曲も技術不足で弾きこなせませんでした。まず、手が異様に小さかった。ごまかしながら弾くだけで、完成しない曲の数々。さっさとやめればよかったなと今は思う。
音楽の道
ここまで考えている親は少ないよね?
もちろん、本人が強く望むなら音大に進学させてもいいけど。よほどじゃなければ反対しちゃうと思う…
音大を受験するにはピアノ以外に、声楽、器楽やらなきゃいけないし。学費は聞くだけ恐ろしい。娘の大学受験でちょっとだけ可能性がある美大受験とは、レベルが違う。
音楽的素養
って、なんでしょうね。
まあ、娘も息子も学校で器楽をやるときに、わりと勘よく演奏できてるみたいなので、素養は身に着いていると言えなくもないのではないのでしょうか。
あ、絶対音感というのもあるか。コンクールがどうの音大がどうのと言っておいてなんですが、私にもウチの子にも身についてません。いいんじゃないの、なくても。
音楽関連以外で、ピアノで得られるもの?
よく言われるのが。
脳の発達
ですが。これは、 4歳まで、遅くとも6歳までに始めた場合に期待できるとか。
それでいくと、ウチの場合は娘が2歳からヤマハの集団教室に通い、鍵盤もやってたから、脳が発達したのかもしれません。息子と末っ子は5~6歳からピアノなので、効果が薄いのかも(半分、本気)。
でも、脳の認知機能全般にいいという話もあるので。きっといい影響ある。
集中力
これは、たしかに。
でも、だからといって、学校の授業に集中するようになるわけではない。これは息子と末っ子みてて、断言できる。
あと記憶力とか、表現力とか? 非認知能力全般にいいという話もあるので(以下略
舞台度胸
これもよく言われるやつ。
数カ月間、毎日何時間も練習して、本番は1度きり。そこで成果を出し切るために、1人で舞台に上がることは本当にすごいことだと思います。
でも、だからといって。それどころか。末っ子は、学校の音楽会のオーディションで不合格になるし、バレエの発表会でも緊張してふだんしない失敗するし。
ピアノは、努力して舞台でいつもどおり弾けるようになるだけで、度胸がついてるわけじゃない気がします。精神年齢が上がれば、変わってくるんでしょうか。
ど根性
これだけは間違いなく、ある。
ピアノの先生はかなり理性的なほうだけど、けっこう厳しい。家では母親(私)が激詰めしてくる。かなり耐性がついてると思います。
怖いバレエの先生にも「末っ子ちゃんは強く注意されても平気で、根性あります」と褒められます。怖い学校の先生に廊下に出されて説教されたとき、他の子が全員泣いても末っ子は泣かなかったそうです。
将来、徒弟制色の強い職に就いたとしても、やっていけると思います。
でも、私はピアノの先生が厳しかったけど、根性はありません。末っ子の強さは、ピアノだけで培われているわけじゃない気がします。生まれつきの性格な気がする。
ピアノを習うデメリット:学習機会の喪失
つらつら書いて長くなってしまったので、デメリットはひと言で。ずばり、これ。
完全にトレードオフで、ピアノの練習のおかげで家庭学習の時間がほぼとれません。両立できてる子もたくさんいるのでしょうが、ウチは無理。
中学受験はしないことになったし。中受しないにしても、英語・計算・漢字をやらせたいけど、全然、時間が足りない。
来年からはコンクールには手を出さず、淡々とピアノをやりながら勉強にも力を入れていきたい。
えーと、まとめると。
末っ子、ピアノがんばっててえらいな。
色々と愚痴も書きましたが、音楽はやはりいいものです。コンクールのために私も末っ子と一緒にレッスンに出ているのですが、ちょっと弾き方を変えるだけで驚くほど良くなり、曲に表情がついてくる。レッスンのたびに改善点が出て、クリアして、曲が完成されていく。これからもっと進んでいけば、だんだん個性も出てくるでしょう。これは、楽しい。
トレードオフも多いけど、確実に得るものがあると思って、今後も親子でがんばります!